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【藤枝市】観光地に隣接する過疎地域を可視化

静岡県藤枝市の藤枝地区は、高齢化が進み店舗数も減少。一方、隣接する観光地には多数の訪問客が。
この格差を解消するため、当社の人流分析が活用されました。

静岡県のほぼ中央に位置する藤枝市は、人口約14.6万人が暮らす県の中核都市です。ICTを活用した豊かな暮らし・まちづくりを目指し、積極的に地域産業や公共サービスにおけるIoT活用の共同研究、実証実験を実施しています。

旧東海道藤枝宿の旧跡が並ぶ藤枝地区(通称:旧市街地エリア)では、少子高齢化が進み、地区内の店舗数が減少しているという課題がありました。地区に隣接する市内最大の観光地である「蓮華寺池公園」には年間150万人が訪れているものの、藤枝地区に立ち寄る人が少なく、このアンバランスさが浮き彫りになっていました。

藤枝地区の再生、そして蓮華寺池公園の混雑解消に向けて民間の力を取り入れる市の取組みに対し、LocationMindが人流測定を実施しました(注1)。

蓮華寺池公園ではIoTセンサーを用いた計測を行いました。公園内の遊具設置箇所や駐車場などの滞留が発生する場所、園路の分岐点等など、計18箇所にセンサーを設置し、来園者数や混雑状況を可視化しました。計測に使用したセンサーはLiDAR(ライダー)というもので、レーザー光を使って物体を感知し、物体の数、形状、距離、方向などを測定できるセンサーです。写真や映像を取得せず正確な人流データを計測できるため、プライバシーに配慮しながら高精度に人流を計測することが出来ます。当社はこうしたIoT機器を使用した人流測定のエキスパートを有し、現場での計測、データの活用を安全に実施することができます。

さらに、当社はNTTドコモ社とのパートナー提携により、ドコモの携帯電話から得られるGPSデータ(注2)を利用することができます。藤枝地区のケースでは、センサーから得られた情報に、携帯電話から得られるGPSデータを組み合わせ、より精度の高い分析を実施し、昼夜間の人口密度の変化、移動の状況、滞在時間など、人流の特徴を調べました。

計測の結果、対象地域周辺での人流に偏りがあることがデータ上からも判明し、周辺の回遊性を向上させる必要があることが裏付けられました。また、市はここで得られたデータを元に、蓮華寺池公園の混雑状況を市HP等で手軽に確認出来るよう、検討を進めています。

当社は今後も引き続き藤枝市と協力し、都市の過疎化対策や周遊性の改善など、街づくり計画をさらに良いものにする検討を続けてまいります。

(注1)本実証実験において取扱った情報は、匿名加工を行い、個人が特定できない形で活用されました。
(注2)「LocationMind xPop」データは、NTTドコモが提供するアプリケーション(※)の利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータ。位置情報は最短5分毎に測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。※ドコモ地図ナビサービス(地図アプリ・ご当地ガイド)等の一部のアプリ