GPSデータの機械学習から得られた解析アルゴリズムを社会課題解決に
NTTドコモは、2011年3月の東日本大震災をきっかけに、東京大学・空間情報科学研究センターとの間で、GPSの移動軌跡からどのような社会課題の解決支援ができるかについて、共同研究を行ってきました。
従来、GPSデータの移動軌跡の分析方法としては、250m x 250m(あるいは、125m x 125m, 500m x 500m)といったメッシュ単位にサンプル数を単純集計し、次にメッシュ内にあるサンプル量に補正係数を使って、全体の人数を推定する方法が主流でした。
この共同研究により、機械学習を活用して従来の方法を高度化させた結果、統計的に勤務地・居住地エリアを推定したり、移動に利用している交通手段(徒歩・クルマ・電車など)を推定する、基礎的なデータ処理アルゴリズムを開発することに成功し、GPSデータによる社会課題解決の適用可能性を大きく拡大することとなりました。
共同研究の経緯から、創業以来、LocationMindはNTTドコモから統計加工データの提供を受け、この技術の社会実装を支援しています。その一例を挙げると、感染症の分析に際して、感染危険度の高いエリアに、居住者や勤務者以外の人流が夜間どのくらい流入して滞留しているかを推定し、感染症の予防対策に役立たせています。
「LocationMind xPop」データ(注1)は、この他にも防災、マーケティング、ロジスティクスの最適化など、従来とは異なる新しい切り口での社会課題解決支援に役立ち始めています。
(注1)「LocationMind xPop」データは、NTTドコモが提供するアプリケーションの利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータ。位置情報は最短5分毎に測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。