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LocationMind xPop © LocationMind Inc.
本レポート概要
2020年2月28日、北海道の鈴木知事は全国で初めて独自の緊急事態宣言を発出し、多くの注目を集めました。本レポートではLocationMind xPopの統計データ※を用いて、 COVID-19やCOVID-19による緊急事態宣言の発出を受けて人々の移動がどのように変化したのかについて北海道を対象に紹介します。
※ LocationMind xPopのデータは、NTTドコモが提供するアプリケーションサービス「ドコモ地図ナビ」のオートGPS機能利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータを使用。位置情報は最短5分ごとに測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。
緊急事態宣言による道外からの流入への影響
図1は2019年及び2020年における北海道外からの流入数を時系列で示しています。2019年と比較すると、2020年はCOVID-19が道内で拡大し始める第1波の2月下旬以降1大きく流入数が減っていることがわかります。2020年内で比較すると、2月28日の道内における緊急事態宣言前であり、第1波の始まりである2月下旬から既に大幅な流入数の減少が見られます。その後、3月初めから3月19日の緊急事態宣言解除まで流入数は僅かに増加しているものの、2月下旬から5月中旬までは概ね減少傾向となっています。
また、東京都や千葉県などの7都府県を対象とした4月7日の政府による緊急事態宣言の影響や、4月12日に北海道と札幌市が「北海道・札幌市緊急共同宣言」を発出したことを受け、5月中旬頃まで同様の減少傾向が続きます。しかし、5月25日の政府による緊急事態宣言解除前の5月中旬からは増加傾向となっています。
図1:2019年及び2020年における北海道外からの流入数(各日付は北海道北広島市HPによる) LocationMind xPop © LocationMind Inc.
出典1: 朝日新聞DIGITAL, 北海道の「第3波」は「第2波」の2倍以上か、道が推計, https://www.asahi.com/articles/ASN7R6QYXN7QIIPE00N.html, アクセス日:2020/07/28
緊急事態宣言による道内流動への影響
表1・2は、2020年2月28日(金)及び2020年5月6日(水, 振替休日)における道内 のOD量(発地 Originと着地 Destination間の流動量)の変化をヒートマップとして示したものです。赤色が濃い組み合わせほどOD量が多いことを表しています。5月6日はゴールデンウィーク期間であるため平時であれば2月28日よりも多いOD量になると考えられますが、表2からは実際のOD量は大幅に減少していることがわかります。例えば、2月28日における札幌市北区から中央区間のOD量は赤色から黃色へと変化しています。
表1:2020年2月28日(金)における道内 のOD量(発地 Originと着地 Destination間の流動量) LocationMind xPop © LocationMind Inc.
表2:2020年5月6日(水, 振替休日)における道内 のOD量(発地 Originと着地 Destination間の流動量)LocationMind xPop © LocationMind Inc.
COVID-19によって道内で最も影響を受けた都市
図2は、北海道のいずれかの市区町村を着地とした流動量の変化率(対数目盛)を示しています。図からわかるように、千歳市を着地とする流動量は-28%と大幅減少となっています。千歳市に位置する新千歳空港では国際線が3月から軒並み欠航となっており2、これにより大きな影響を受けていることが伺えます。本結果から千歳市は道内において最も影響を受けた都市であると言えます。
図2:北海道の市区町村を着地とした流動量の変化率
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また、OD量を可視化した図3・4からは、道外から千歳市への流動が大幅に減少した状況を見ることができます。
図3: 2月3日から2月10日までのOD量図
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図4: 4月30日から5月6日までのOD量図 LocationMind xPop © LocationMind Inc.
出典2: 日本経済新聞, 新千歳国際線、発着ゼロに 航空会社が相次ぎ運休, https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57015640Z10C20A3L41000/, アクセス日:2020/07/28
※2024年3月現在、当社は当ページで公表している「ドコモ地図ナビ」を利用しておりません。